お知らせ | 建築随想「仙芳丸航海日誌」
ヤマグチ建築デザイン
「仕事紹介」ページの更新

本日、「仕事紹介」ページの更新を行いました。

 

3件の事例を追加し、既存事例も写真点数を増やしました。

・鴨方の家

・農家の再生

・山下産業グループショウルーム

 

360度パノラマ室内体験」も追加しています。

まるで、室内にいるかのような疑似体験ができます。

 

また、プロフィールページも小変更を加えています。

今後ともよろしくお願いいたします。

 

| 19:37 | comments(0) | - |

鴨方の家
「これは楽園になりますよ。」
写真を見せられてすぐに、返信した。児島の先輩からの引越し相談への返信だった。
あの場所に行って、完成後を想像すると、きっとそう思う。そんな敷地だった。単なる相談かと思っていたら、のちには、仕事として依頼したいと言ってくださり、驚きつつも依頼に感謝しつつ、事に当たった。今年の夏はそんな日々で、今回完成に至った。
広い、とにかく広い。学生なら雑魚寝で30人くらい収容できそうな住まいだし、実際、「田舎で稲刈り体験」などと同様の感覚で、大阪から人を集めて、数万円を払ってくれて、農作業をしてくれそうな、そんな風景が周りには広がっている。しかも、敷地内の竹やぶや雑木をこのクライアントが撤去してしまったので、本当に「楽園」となり、近隣住民の方は、引っ越してきたこの家族の本気度にびっくりし、歓迎したと思う。実際、多くの村人が「新しい村人」の家に訪ねてきている。

土間の家である。しかも、今までで最大の土間の家となった。通常の「田の字型」民家の構成では、玄関からまっすぐに土間が続くが、今回は、土間での食卓スペースを確保するため、板の間にするような場所までも、土間にして、写真のように食卓を置かせてもらっている。
昔の人から受け継ぐ民家のセオリーがすべて詰まった住宅で、真夏でもクーラーがいらない涼しさを提供してくれていた。丘の上という立地も効いている。冬は薪ストーブを焚くことで、家全体を暖めるが、おきまりの「土間の効用」によって、熱を蓄熱してくれるので、問題ない。気になるのは、二棟をつなげているため、広すぎるくらいか。



住宅というのは、高度ではない技術を積み重ねることによって、その重複によって、自然の厳しさの中で耐えていくような作りになっている。車のボディのように、一枚だけで耐えています、という状況ではない。だから、天井を撤去したり、雨戸を外したりすると、隙間風が気になったり、台風の時には、木の建具から雨漏りをしてしまうという状況を作り出してしまう。
安藤忠雄先生の「住吉の長屋」が完成した当時には、設計者よりもそこに住む人を賞賛したい、という弁があちこちで聞かれたそうだが、あれは、不自然なコンクリート住宅だから、そういう発想になるのであって、科学とか工業・産業などの言葉すらなかった時代から、人々のためにあるものが「住まい」であって、無名の日本人が室町時代から営々と続けてきた「実地テスト」に合格して残ったものが、「古民家」なのだから、家に住むことを、「賞賛したい」とか、住む人の方が偉い、とか、そんな文句が飛び交う言語空間の方が、私に言わせれば気持ち悪く、おかしい感覚のように感じる。実際、ここに住む家族は普通に暮らしているし、自分が偉いとかそんなことはちっとも思っていない。冬になれば、暖かい二階で寝て、夏になれば、涼しい一階で寝る。それだけのことだ。

鴨方の家、完成しました。

| 03:35 | comments(0) | - |

紐か漆喰か
紐に決めました。



単なる板では寂しいのではないか、という若気の至りで新築時に床板に大きく目地を取っておいたのですが、きょう、その目地に紐を埋め込みました。6年半も迷うというのは、ありえない期間ですが、単なる板では寂しいのではないか、というのが若気の至りだったのだということを認めるのに6年半もかかったというのが、実際だと思います。当時3歳だった長男は小学生となり、冬休み最後の日に、父のケジメの儀式に付き合わせた形になります。

自分の家を設計する際には、人様の家ではできないことや、やってみたいけれど、自信がないことなどを試したくなるものです。いろいろやりすぎた感がある私の事務所兼住宅ですが、これで、一つの区切りがついて、またすっきりと目の前の仕事に取り組めるようになります。設計時は確か31歳でしたから、随分と時間が経ったものです。今年で40歳になります。

やりすぎといえば、本業の建築設計以外にも、幾つもの有給無給の業務やら趣味やらを抱えていますが、これらの業務をこれまた6年半ほどかけて、自分の体に馴染ませていくのかもしれない、という漠然とした不安が、「紐入れ儀式」を遂行していく中で、モヤモヤと浮かんできましたが、長男のテキパキとした作業風景がそれを中和してくれるのをみて、少し安堵しました。

2015年の初めにあたり、住まいを完成させる聖なる儀式を終えて、新しい一年の業務を始めました。



左官を祖父に持つ身としては、隙間に漆喰を塗りたいところですが、漆喰作戦はまた別の機会に譲ることとします。やりすぎは禁物です。
いつも拙いブログをご覧下さりありがとうございます。今年も良い住まいを、豊かな住まいを作ることに、精進していきます。

| 01:56 | comments(0) | - |

五右衛門風呂の新展開
過去にも何度か登場した我が家の五右衛門風呂ですが、今回も再登場です。



先日、五右衛門風呂浴槽を作っているメーカーの方が、訪問くださいました。なにしろ、昔ながらの浴槽を現代生活に適した使い方にしたのが、私の住宅が最初だったので、第一号を拝見したい。とのことでした。その後、この方式を武器にいくつもの家庭に納品しているとのことで、ぜひ!見せて欲しい。とのことでした。
確かに、最初のやり取りの際には、私の要望をなかなか素直に受け入れてもらえなかったことを覚えています。つまり、給湯器からのお湯をボタン一つで浴槽に満たしていく、あの浴槽の中の丸い出っ張り(私たちは循環アダプタと呼んでいます)を、浴槽の側面に取り付けたのが、最初だったのだそうで、銭湯などの大きな浴槽の場合にはしたことがあるけれど、曲面の多い家庭用の小さいものでは出来っこない、と思っていたようで、私の無理な要望が功を奏した形になります。

こんなことを報告すると、いつも、こういう特別なことをしているようにも映りますが、実際は、伝統的な民家をベースにした日本の風景に合うような住宅を作り、そこに少しだけ、スパイスを加えているというのが、実態です。突飛なものとか、思いつきで考えたものというのは、天才がやれば突き抜けた素晴らしさがあるのですが、私のような凡人がそんなことをすると、必ず破綻をきたしたような状態になるので、何百年もの歴史を重ねた民家をベースにすることにしています。民家は、多くの人たちの知恵の集積ですし、別の言い方をすれば、数え切れないほどの製品テストをくぐり抜けてきた優秀な住まいです。


(写真は、過去の作品例です)

そんなわけで、現在、古い住宅の再生工事というものにまた取り掛かっているところです。
私は住宅メーカーのように、土地を用意したり、住宅ローンの手続きを全て請け負ったり、ブランド力に任せた営業を仕掛けたり、車のオプションを選ぶように楽に設計をしていくような、そんな仕事のスタイルをとってはいません。それゆえ、私のような存在を見つけて、ここの事務所にまでたどり着いてきたお客様のことを、ある意味尊敬していますし、この難しい時代の中で、そのたくましさを発揮されるお客様たちの姿に安堵するような気持ちを覚えることもあります。
住まいを考えるときには、お金の問題や家族の問題を整理するのが、精一杯で、なかなか自分たちの理想の住まいというものを考える時間を取れないのが、実際ではないでしょうか。個人で設計事務所をする場合には、なかなか幅広い対応が難しいものですが、来年に向けてまたいくつかのプロジェクトが与えられていることに感謝しつつ、忙しい秋を過ごしているところです。
| 01:48 | comments(0) | - |

「My Works」ページの更新
仕事紹介のページ「My Works」を更新しています。

一番右下に、最新作品の写真を二点掲載しました。

私なりに、最もモダンな個人住宅となっています。
ご覧頂ければ幸いです。
| 01:02 | comments(0) | - |




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