倉敷建築工房 山口晋作設計室
山田幸司賞受賞記念講演会のお知らせ

建築系ラジオ「第1回 山田幸司賞」の授賞式と講演会が、下記の要領で行われます。

主催者によると、どなたでも参加可能とのことですので、広くお知らせいたします。

 

期日;11月23日(土曜日)14時から17時15分まで

会場;大同大学 白水校舎 第一製図室(名古屋市南区白水町40)

主催;建築系ラジオ

 

本賞受賞者;山口晋作(倉敷建築工房 山口晋作設計室、倉敷市)

特別賞受賞者;今村謙人(カモメ・ラボ、大阪市)

 

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私の講演(50分間)ののちに、今村さんからのミニレクチャ(15分間)があり、その後、主催者である「建築系ラジオ」の皆様と受賞者二人を交えての議論・共有・批評の時間「山田幸司と建築系ラジオのスーパークリティーク」を30分間行います。続いて、大同大学をはじめ、地域の大学生が加わって行う「ゲリラクリティーク」も30分間行われます。

 

私としては、6年間過ごした豊橋の近くで行われるため、少しだけ凱旋的な雰囲気を帯びて準備をしているところです。東京以外で励んでいる地方建築家たちにも届くような内容になっています。豊橋や名古屋周辺の皆さん、是非どうぞ。

| 11:00 | comments(0) | - |

建築賞受賞のお知らせ 建築系ラジオ「山田幸司賞」第一回

この度、当事務所の代表・山口晋作は、ネットラジオ番組「建築系ラジオ」(第1期コアメンバー;五十嵐太郎氏、南泰裕氏、山田幸司氏、松田達氏)が、今年2019年に創設した「山田幸司賞」の第一回受賞者となりました。故人山田幸司さんは、名古屋を中心にして活動されていた方でした。彼は「流行に迎合せず、ともすると有名大学の出身者が幅を利かせがちな建築界に、鋭く斬り込」んだ方で、今回の賞は、山田さんの「生き様と響きあう建築家」に出会い、これを顕彰することを目的としていました。

 

「建築系ラジオ」は、紙メディアが衰退していく中で、新たなメディアの可能性を押し広げた活動で、私山口自身もよく聞いておりました。建築賞に応募するのは、学生時代から今までに一度もありませんでしたが、独立十年を記念して、今までの仕事をまとめたポートフォリオを送り、応募していました。今後は、名古屋にて、表彰式、講演会が予定されています。

 

詳しくは、主催者発表をご覧ください。

 

・結果発表(8月31日)
https://igarashi-lab.tumblr.com/post/187376905365
・募集要項(4月18日)
https://igarashi-lab.tumblr.com/post/184267394135

| 09:00 | comments(0) | - |

事務所名の改称にあたって

2019年8月より、当事務所の名前を「倉敷建築工房 山口晋作設計室」と改称します。設計事務所の師匠である楢村徹氏(倉敷建築工房 楢村徹設計室)からの「暖簾分け」として、事務所の名称変更を致しまして、「倉敷建築工房 山口晋作設計室」となります。今後も地域に根ざした活動を進めて参ります。岡山・倉敷の皆様、児島の皆様、今後ともよろしくお願いいたします。

また、同時にいくつかのコンテンツを追加しています。「PROFILE 挨拶・略歴」の略歴を更新して、「WORKS 仕事」に「岡山の都市住宅(外観)」と「Path」(松島分校美術館の一万歳の集落に学ぶ企画)を追加しました。以下は、私の履歴を踏まえながら、当事務所の考え方をまとめたものです。

 

 

    100年前に大流行していた世界初の量産自動車「T型フォード」を企画したヘンリー・フォードは、車を作るとともに、その車が走る道路も作ったと言います。大量生産は大量消費とワンセットで、戦後日本の「一億総中流」を作り上げました。大量生産大量消費的な富の蓄積体勢には、大量の消費者を要します。消費者を育てようと画策された住宅関連税制及び金融機関による住宅ローンは、戦後に始まった「工業化住宅(もしくは、プレハブ住宅)」の建設を推し進めましたが、私自身は、岡山の「古民家再生工房」(1999年度建築学会賞業績賞受賞)に連なる建築家として、「工業化住宅」が作り出す日本の風景に違和感を持ちながら、室町に直接の端を発した伝統的民家(いわゆる、古民家)をベースにした「風景になる住宅」を作っていこうと考えています。

 

    私は、他の同世代建築家と違って、明治の終わりに作られた古民家で二十歳まで暮らしていた「アドバンテージ」がありました。それが、ウエブサイトで紹介しているいくつかの仕事に生かされています。代表的なものは、「ヤマグチ建築デザイン(2008年)」に生きており、加えて、大学で泉田英雄氏(東京大学藤森照信研究室の初期メンバー)を通して学んだ建築史のイロハを「養分」とした上で、設計事務所の師匠である楢村徹氏(倉敷建築工房 楢村徹設計室)の「技法」を加味して「茅葺き屋根の記憶(2012年)」、「瀬戸内の現代擬洋風住宅(2013年)」、「岡山の都市住宅(2018年)」などが出来上がっています。

    住宅とは、人が人であることを始めた時点から、人とともにあるモノですので、工業や産業に隷属するものだという前提で、つまりは、産業革命以後の世界観だけで、住まいのあり様を吹聴される現在の日本の状況には、違和感を常に抱いています。確かに、多くのものを大量に作るには、「フォード方式」に基づいた生産体制を用意する必要があるでしょうが、人口も需要も右肩下がりの昨今の日本においてさえ、それを続けざるを得ないというのは、ナンセンスだと感じます。大資本企業の研究室では、優秀な人材が日々研究と実験に努めていますが、明治の終わりの家で20年過ごした私の経験と、泉田さんに教わった建築史研究、また、楢村さんから教わった多くの教えを統合し、咀嚼して言い表すと、そういった企業行為から生み出される住宅よりも、名も無き人たちが、室町から500年以上の年月をかけて生活の中で実地テストを繰り返してきて、その上で評価を勝ち取り、生き残ってきた住宅とそのディティールこそが、その建物が建つ地方の土地に似合っている住宅であろうと考えています。

 再生工事(俗に、リノベーション)についての認知度が、この10年ほどで上がってきています。「フォード方式」をベースにした住宅観・建物観の場合だと、家を建てるには先ずは古い家を取り壊して更地としてリセットした上で、住宅を考えていくのが順当ですが、古い家を直しながら家族の器を繋いでいく再生工事の場合には、時間の流れを受け入れて、古い柱に新しい柱を継ぎながら、家を作っていきます。多くの古い家を見てきましたが、元々の建物の部材以外にも、別の建物から材料を転用しているケースが多々見られます。かつての日本人は、継承や転用を日常的に行って、住まいを整えていくのが当たり前の感覚を持っていました。その経緯を踏まえて、長い長いスパンで日本の家を捉え直してみると、日本にとっての「フォード方式」が始まった高度成長期以降の状況の方が異端的な方式で、自らの住処を作っていったように受け止めています。私は、その異端的な状況が、仮になかったとしたら、500年前の室町から続く日本建築の伝統が、そのまま令和の時代にまで、素直に続いていたとしたら、どのような住宅ができていくのだろうか、という感覚を持ちながら、仕事に取り組んでいます。

 地方都市の住宅は、その地方の建築家が作るべきですし、建築家や工務店などいなくても、住む人が自分で作れるのであれば、それに越したことはないとも思います。未だに地方の設計業界は、東京から偉い先生を呼んで、シンポやコンペに励んでいますが、そんな事をしている暇はなく、石にかじりついてでも、地方独自に企画して、実現していく力を作り蓄えていくことが、地方という言葉をなくす道ではないだろうかと考えます。

 

 また、いくつかの社会活動の中でも代表的な「一般社団法人松島分校美術館(旧名称;クリエイターズラウンジ)」についても、触れておきます。

    児島の彫刻家片山康之氏(2009年岡山芸術文化賞受賞暦などアリ)とともに活動している「松島分校美術館」は、地方都市に生きる文化人が、職業としてではなくて、生活者として、街の文化力を向上させるために行っている日常をベースにした活動です。「住んでいるのに、暮らしていない」という言葉が、まさしく当てはまるのが、現代日本人の生活だと思います。朝に家を出て夜に家に帰るという行動をしている多くの日本人は、住民票のある街で暮らしていると言えるでしょうか。本来は、日常であるはずの「暮らし」が、非日常になってしまっているという現代だからこそ、こういった生活者が日常をベースとした文化活動が、地方都市に必要だと考えます。

 

    かつてフォードは、大きな街区と広くて長い道を作りましたが、文化や暮らしを愛する人には、下津井のように小さな街区と細くて短い道が相応しいように思います。小さな街区では、目的地へと続く道には色々なものが目に留まり変化に富みますが、フォード方式ではそうはいきません。迷路のような路地に育てられた私としては、人と人との関係性が豊かになり、日々の生活の細やかさ・ディティールに、喜びを感じるような住宅を今後も作りたいと考えます。

| 08:30 | comments(2) | - |

センスをみつける

クルマの外観(見た目)を見て、デザインが良い/悪い、という表現をする自動車評論家批評家がいます。たくさんいます。デザインという言葉は、日本語でいう設計です。機械設計、土木設計、建築設計など。設計という行為は、かなり広範囲な物事を、有限な時間とお金の前提条件の中、理屈で構築して具体的なモノに作り上げていくと同時に、目で見て心地良く、使ってみて心地良い環境を作り上げる総合的な作業のことですから、外観を評価する言葉として、デザインが良い/悪い、という言葉を使うのは、的外れの様に感じています。外国語を使いたいというならば、ルックス(和製英語)が悪い、もしくは、アピアランスが悪い、というのが、最適な表現だと思います。それでも、文章で勝負しているクルマ評論の業界においては、多数派を占める「言い回し」なのでしょうから、言葉というのは、取り扱いが難しいものだな、と感じます(もしくは、「デザイン(和製英語)」と理解した方が、日本においてのみ通用する用法なのだと理解した方が、良いのかもしれませんね)。

 

さて、私がかつてお世話になった楢村徹設計室において、在籍中に褒められた経験というのは、実は、一度だけでした。しかも、一枚の建具のとても小さな取手についてのコメントで、建物が完成後に初めて訪れた際に、指を指した上で、「これは、ええ」です。独立後に私の事務所から外を眺めた景色を「良い」と言われたことを加えると二度だけです。彼は、楢村さんは、褒めない教育方針を貫いていて、「褒めて伸びた人を見たことがない」といつも言っていました。

 

 

先日、岡本太郎さんの名著『今日の芸術』を読んだのですが、そこには、セザンヌやゴッホの下手な絵画やピカソのキュビズムの頃の下手な絵画(より正確には、新たな表現を際立たせるためにワザと下手に描いた絵画)を取り上げて、こう書いてありました。「今日の芸術は、うまくあってはいけない。きれいであってはいけない。ここちよくあってはならない。」さらに、ずっと後には、「よかれあしかれ、何ごとにつけても、まず飛び出し、自分の責任において、すべてを引きうける。こういう態度によってしか、社会は進みません。」と書いてありました。

楢村さんが自分の部下たちをほとんど褒めなかったのは、自分も含めてみんな下手だ、という前提とともに、私たちスタッフたちが自分自身で苦しみ悶えて、新たな提案を考えたり(自分なりの感性を発揮すること)、立ち止まって思索を重ねたりする行為(哲学すること)を、サポートするためには、「褒めない」ということが、一番の近道だ、という判断があったのだろうと、今では思います。独立後の厳しい社会的な評価の中で生き抜く胆力を養う模擬的修行的な訓練を課していたのだろうと思います。

 

4月から7月までの毎月第四土曜日の午後に、「センスをみつける建築学講座」というものを開こうと、現在準備しています。全4回です。取り扱う内容は、建築設計とその他周辺の活動についてですが、その時々の判断基準に注目して、なぜその様な判断をしたのか、という種明かし的なことをストーリーを交えて語る講座になっています。建築系の人ではなく、あえて児島の一般企業の方々に向けての講座です。

現在、様々な業界で、先に進めない状況が生まれていますが、そこを打破していくためには、人真似では無くて、個人それぞれが、自分なりの生き方を定めて、腹を決めて進んでいくしか、開ける道も開けないのだろうと思います。数字(PL・BS)や技術に重きをおくのでは無く、自分が「美しい」と感じる道に進むのです。「センス」という言葉でさえ、人によって受け取りかたが違うので、難しいのですが、ここでいうセンスとは、感性のことです。つまり、綺麗とか、上手い、というのではなく、自分なりの感性(センス)・美意識の基準を再発見することが、先行きの見えない状況を開いていくために必要なことだと思います。テクニックを磨くとか、勉強しなければならない、という方面に傾くのではなくて、自分なりの感性をオモテに出していくのが、次の展開への近道ではないだろうか、と思うのです。

| 17:05 | comments(0) | - |

仕事紹介(My Works)に、5物件を追加しました

近年の事例として5つの物件を追加しました。

http://www.yamaguchiarc.com/work

 

「鷲羽山弘泉寺」は、文化庁に対して「登録有形文化財」としての登録手続きを行いました。

「下の町の家」は、地元児島での新築住宅です。

「パントーン」は、倉敷市中島にある児童福祉施設で、美容院からの改修工事です。

「旧松島分校」は、倉敷市下津井沖にある松島の廃校小中学校校舎の改修工事です。

「岡山の都市住宅」は、岡山市北区の住宅地での新築住宅(借家併設)です。

 

当事務所は、今春に独立して満10年を迎えます。地域の皆様のお役に立てるよう、なお一層励む所存です。今年もよろしくお願い申し上げます。

| 20:31 | comments(0) | - |




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